Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
パチパチと火の燃える音が聞えます。プスプスと枯葉のいぶる音も聞えます。土蔵の戸前は非常に厚味のある板を二重に張って、中には筋鉄が入って、上の部分がやっと日の目の透るほどの格子になっているから、そう容易く焼け抜けるとも思われないが、相手は火であるから、相当の時間と力が加われば何物をも燃やしてしまいます。それが燃える時分には、土蔵の中は煙でいっぱいになって、火で焼け死ぬ前に、人は煙のために窒息してしまわねばならないことは明らかです。
身仕度したお銀様は、この際に何を持って出ようとの分別はありませんでした。手に触れた一本の脇差を持って、土蔵の二階の梯子段を転がるように走せ下りました。
「お喋り坊主、何か文句があるならここで一番、喋ってみろ、久しく乾いているから、メラメラと赤い舌を出して小気味よく燃える、井戸の底へ投げ込まれて往生をしそこなうのと、火の中で苦しがるのとどちらがよい、貴様のために、この面体に生れもつかぬ大傷が出来た、それが憎いからこうしてくれるのだ、よく焼かれて往生しろ」
神尾主膳は濡れみづくになった身体で、燃えさかる火を望んでは喜び狂い、手に持った槍の石突を火の中へ突込んでは薪を浮かせて、火勢を煽ろうとしています。