Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
「ずいぶんやりやしょう」
「器量はなんとも言えないが、格式はあれよりズット上だ」
「なるほど」
「あれは貴様も知っている通り、駒井甚三郎の寵物だ、駒井は甲州勤番支配で三千石の芙蓉間詰めの直参だが、ここへ持ち出したのは大諸侯だ」
「お大名なんですね……」
がんりきの百が咽喉から手の出るような返事をする。
「そうだ、それを一番、貴様がものにしてみる気なら、尻押しをしてやるまいものでもない」
「御冗談をおっしゃっちゃいけません、あなた方に尻押しをしていただかないからって一人でやりますよ、昔の鼠小僧なんぞは一人でお大名の奥向を、どの位荒したか知れたもんじゃありません、そういう仕事は一人に限りますよ」
「よろしい、それでは貴様に知恵をつけてやろう、ほかでもないが相手は出羽の庄内で十四万石の酒井左衛門尉だ。今、江戸市中の取締りをしているのが酒井の手であることは貴様も知っているだろう、我々にとってその酒井が苦手であることも貴様は知っているだろう、酒井は我々の根を断ち、葉を枯らそうとしている、我々はまたそこにつけ込んで酒井を焦らそうとしている、その辺の魂胆はまだ貴様にはわかるまい、わかって貰う必要もないのだが、貴様の今に始めぬ色師自慢から思いついたのは、酒井左衛門尉の御寵愛を蒙った尤物が、いま宿下りをして遊んでいることだ。