Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

義理も人情もなく飲みつくしてしまいました。

その間にお徳は、更に温かい飯と、新しい松茸の料理にかかるべく焚火を加えて、その火加減をながめています。それによって見ると、飯を焚いているのではなく蒸しているものらしい。よく山の旅に慣れているものがするように、湿気のある土地に穴を掘って木の葉を敷き、それに米を入れてまた木の葉と土とかぶせて、上で焚火するという仕組みでやっているものらしい。松茸の料理というのも、多分そうしてこしらえるのでしょう。

温かい酒と、温かい飯とに瞑眩した竜之助は、久しく潜んでいた腥い血が、すっと脳天へ上って行くのを覚えます。この時に、むらむらと人が斬りたくなりました。眼に触るる人を虐げて、その血を貪ってやりたい心持が、ようやく首を持ち上げてみると、刀のないことが、もどかしくてたまりません。腰をさぐってみたけれど刀がありません。

ぜひなくその心をじっと抑えて、また弱々しい女郎花を虐げて横になって、かすかに眼を開くと、焚火にかがやくお徳の血色というものが、張り切れるほどに豊満な肉を包んでいました。

百カ日の参籠ということによって、辛うじて恵まれた肉眼の微光は、その間、やむことを得ずしてさせられた精進潔斎の賜物であるとわかっているならば、再び人間の肉と血を見ることによって、もとの無明の闇に帰りたく