Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

ところが、お高祖頭巾の女の方では、さいぜんから、ちゃんと心得たもので、頭巾の中からお角の面を見据えるようにしていましたので、お角もなんだか気味が悪く思いました。

「おや、あなたは……」

今度はたしかにお角の方がギョッとしました。お角に呼び留められた米友は、てんで気を呑まれてしまったが、この覆面の女に見据えられたお角は、物怪につかれたように立ち竦んだのは稀れに見る光景であります。

米友にとってはお角が苦手であるように、お角にとってはお銀様が苦手であります。米友は、お角から言葉をかけられても頓には返事ができません。お角は、お銀様に正面から見据えられて、しどろもどろです。

この三スクミの体を傍から見ていたがんりきの百蔵は、委細を知らないから、なんとも口出しがならず、川の流れを横目に見ていました。

「お角さん、お前さんはどこへ行くの」

と言ったのはお銀様であります。

「はい、そこまで、ちょっと用足しに……」

お角としては怪しいほど神妙に返事をしました。

「お連れがおありなさるの」

「いいえ……」

と言ったけれども、それは甚だまずい言抜けに過ぎません。

「もし、御用がないのなら済みませんが、そこまで、わたしと一緒に来て下さいませんか」