Japanische Klassiker mit Furigana
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てんしゅかくのおと
天主閣の音
国枝 史郎
Lesen Sie 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.941 Zeichen · 79 Bildschirme
なろう? 鳥渡見当もつきかねる。名に負う慶長小判である。普通の小判とは質が異う。とまれ素晴らしい金額となろう。
その天主閣で奇怪な音が、夜な夜な聞えるというのであった。
だが毎晩聞えるのでは無く、月も星も無い嵐の晩に、愁々として聞えるのであった。
「金鯱が泣くのではあるまいかな?」などと天主番の武士達は、気味悪そうに囁いた。
「いずれ可く無い前兆だろうよ。……どうも些藩政が弛み過ぎたからな」
時の藩主は宗春で、先主継友の末弟であり、奥州梁川から宗家に入り、七代の主人となったものであった。末弟の宗春が宗家を継いだのには、鳥渡面白い事件がある。
享保元年のことであったが、七代の将軍家継が僅八歳で薨去した。そこで起こったのが継嗣問題で紀州吉宗を立てようとするものと、尾州継友を迎えようとするものと、柳営の議論は二派に別れた。そうして最初は尾州側の方が紀州党よりも優勢であった。
で継友も其家臣も大いに心を強くしていたが俄然形勢が変わり、紀州吉宗が乗り込むことになった。
尾州派の落胆は云う迄も無い。「だが一体どういう理由から、こう形勢が逆転したのだろう?」
研究せざるを得なかった。