Japanische Klassiker mit Furigana
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てんしゅかくのおと
天主閣の音
国枝 史郎
Lesen Sie 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.941 Zeichen · 79 Bildschirme
八
ジリジリと進んで睨み付けた。
「唐土渡来とは真赤な偽! これ貴様は邪教徒であろう! 白状致せ吉利支丹であろう!」
八
香具師は微動さえしなかった。透視光の穴へ片眼をあて、じっと宗春を見詰めていた。
「アッハハハ駄目の皮だ。殿様の心が写って見える。お前さんにァ切る気はねえ。嚇すつもりだということが、ちゃあんと透視光に写っている。……え、なんですって、吉利支丹ですって? 冗談云っちゃァ不可ません。そんなものじゃァございませんよ。唐土渡来の建築術で。……ヘッヘッヘッヘッ切りましたね。プッツリ鯉口を切りましたね。そんな事にゃァ驚かねえ。余人は知らず此わっちにゃァ殿様の心は解っていやす。よしんばわっちに解らずとも、透視光の面に書いてある。大丈夫だよ、抜きゃァしねえ。……お止しなせえましそんな真似は。……が、待てよ、こいつァ不思議だ! 真黒の物が写って見える。おっ、こいつァ殿様の心だ! ううむ偖は殿様には。……アッハハハ心配無用必ず素破抜きゃァしませんからね。ははあ成程そうだったのか。そういう心があったので。それでわっちを嚇したんですね。大丈夫でげす大丈夫でげす。