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Japanische Klassiker mit Furigana

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てんしゅかくのおと

天主閣の音

国枝 史郎

Lesen Sie 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.941 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

広大華麗な城内の様子も、一向香具師には感じないと見え、平気でノシノシ歩いて行った。通された部屋は孔雀の間で、襖から欄間から衝立から、孔雀の絵模様で飾られていた。

出て来たのは宗春であった。

「おお香具師か、よく参った」宗春は気軽に声を掛けた。「胡座を掻け、寛ぐがいい」そうして自分も胡座を掻いた。

「よいお天気でございます」香具師はペコンと辞儀をしたが「何かご用がござんすそうで?」

「うん」と云ったが宗春は、じっと香具師へ眼を付けた。「お前の名は何というな?」

「へい、多兵衛と申します」

「おお模型かな、その包は?」

「へい、さようでございます」

「ひとつそいつを見せてくれ」

「ようがすとも、お見せしましょう。見せるつもりで持って来たんで」

取り出したのは鳩の模型、畳へ置くと懐中から、一掴みの豆を取り出した。

「観音様の使者め。鳩が豆を拾います」云い乍ら颯と豆を蒔いた。と鳩がピョンピョン飛んで、後から後から豆を拾った。

「面白く無いな。子供瞞しだ。もっと面白い模型は無いか」

「ようがす、それじゃァ〈透視光〉だ」こう云い乍ら取り出したのは格恰の機械であった。まず形は長方形、内部は黒く塗られていた。