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Japanische Klassiker mit Furigana

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てんしゅかくのおと

天主閣の音

国枝 史郎

Lesen Sie 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.941 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

その結果或る事が発見された。家臣の中に内通者があって、それが家中の内情を、紀州家へ一々報告し、それを利用して紀州家では、巧妙な運動を行ったため、成功したのだということであった。

一千石の知行取、伴金太夫という者が、その内通者だということであった。

継友が如何に怒ったかは、説明するにも及ぶまい。だが是という証拠が無かった。処刑することが出来なかった。

この頃宗春は宗家にいた。

「兄上、私が討ち果たしましょう」こう彼は継友に云った。

その夜宗春は金太夫を召し寄せ、手ずから茶を立てて賜わった。金太夫が茶椀を捧げた途端「えい!」と宗春は一喝した。驚いた金太夫は茶椀を落し、宗春の衣裳を少し穢した。

「無礼者め!」と大喝し、宗春は一刀に金太夫を斬った。「それ一族を縛め取れ!」

そこで、一族は縛め取られ、不敬罪の名の下に、一人残らず殺された。

「宗春、よく為た。礼を云うぞ」継友は衷心から、喜んだものである。

その継友も八年後には、コロリと急死することになった。その死態が性急だったので、一藩の者は疑心を抱いた。「将軍吉宗の計略で無いかな?」――それは実に大正の今日まで、疑問とされている出来事であった。