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Japanische Klassiker mit Furigana

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てんしゅかくのおと

天主閣の音

国枝 史郎

Lesen Sie 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.941 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

香具師は老人をじっと見た。

「あっ」とばかりに仰天した。見覚えのある老人だからで。――

「おっ、お前か、爺く玉奴!」香具師は声を筒抜かせた。

「お若いの、よく見えた」老人は寝台から起き上った。「無作法な奴だ、爺く玉だなんて言葉を謹め、若造の癖に」こうは云ったが老人は、別に怒ってもいないようであった。

「驚いたなあ」と香具師は、部屋の中を見廻わした。

「何んだい一体この部屋は?」

「流石のお前にも解らないと見える。教えてやろうか、南蛮温室だ」

「え、何んだって、南蛮温室だって? で、一体何んにするものだ?」

「ごらんの通りだ、花が咲いている」

「そんな事は解っている」

「どうしてどうして解るものじゃあねえ。と云うのは花の種類よ。おいお若いの、先ずご覧、幾色の花があると思う」

「ふん」と香具師は憎くさげに「花作りじゃああるめえし、そんな事が何んで解る」

「三百種あるのだ、三百種」

「へえ、そんなにも有るのかい」香具師も鳥渡驚いたらしい。「そんなに作って何んにするんだ」

「しかも普通の花じゃあ無い」老人は俄に真面目になった。「毒草だよ、毒草だよ」

「毒草※(感嘆符疑問符、1-8-78)