Japanische Klassiker mit Furigana
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てんしゅかくのおと
天主閣の音
国枝 史郎
Lesen Sie 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.941 Zeichen · 79 Bildschirme
二
臨終にのぞんで継友が云った。「宗春には恩がある。あれを家督に据えるよう」
こういう事情で宗春は尾州宗家を継いだのであった。
爾来尾州家は幕府に対して、好感を持つ事が出来なかった。その上宗春は活達豪放、英雄の素質を持っていた。で事毎に反対した。
「ふん、江戸に負けるものか。江戸と同じ生活をしろ」
彼は夫れを実行した。如何に彼が豪放であり、如何に彼が派手好きであったか、古書から少しく抜萃ことにしよう。
二
「……諸事凡て江戸、大阪等、幕府直轄地同様の政治をなさんとせり。されば同年七月の盆踊には、早くも掛提灯、懸行燈等の華美に京都祗園会の庭景をしのばしめ、一踊りに金二両、又は一町で銀五十枚、三十枚、十五枚を与えて、是を見物するに至れり。嘗て近江より買ひ入れたる白牛に、鞍鐙、猩猩緋の装束をなし、御頭巾、唐人笠、御茶道衆に先をかつがせて、諸寺社へ参詣したりといふ。更に侯の豪華なる、紅裏袷帷子、虎の皮羽織、虎の皮の御頭巾を用ひ、熱田参詣の際の如き、中納言、大納言よりも高位の御装束にて、弓矢御持ち遊ばされ、御乗馬御供矢大臣多く召連れたり。供廻り衆の行装亦数奇を極め、緋縮緬、紅繻子等の火打をさげ、大名縞又は浪に千鳥の染模様の衣服にて華美をつくしたり。