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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.161 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

この箱は御覧の通り大振りに出来た手提金庫ですが、中に何が入っているか、私にもわかりません。それから鍵は、当時国府さんの秘書のようにしておられた、森川森之助さんがお預りしてある筈です」

佐瀬弁護士はそう言って、少し頑丈に出来た、大型の手提金庫を、卓の上に据えました。

「その鍵は、多分これでしょう。国府さんは私の兄の前で、吹込レコード商会から持って来た、一枚のレコードをその中に入れて、この中には素晴らしい遺書が吹込んであるから、鍵は君が保管するようにと、私に渡されたものです」

森之助は紙入れから小さいニッケルメッキの鍵を出して佐瀬弁護士に渡しました。

「どんな遺言が吹込んであるか、私には一向わかりませんが、不思議なことにこの手提金庫を預ってから、私の事務所は三度までも盗賊に入られたのです。事務所には金目の物は一つも置きませんから、盗賊は明らかにこの手提金庫を狙ったに相違ないと思い、その後はさる大銀行の保管室に預けて、今日まで事無きを得ました。そんな事情ですから、この金庫の中の吹込レコードからは、飛んでもない事件が飛出さないとも限りません」

佐瀬弁護士はそう言い乍ら、手提金庫の蓋をピンと開けました。