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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.161 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

二

もし国府金弥老人が、もう二三年も長生きをしたら、殺し手が二三人現われたかもわからず、その殺し手になったのは、森川森之助でなければ――正直のところこの私であったかもしれないのです。美しく優しい鈴子夫人が、日蔭の花のように萎れていくのを見るのは、全く見てはいられない残虐さでした。「美への大冒涜」――私はよくこんなことをいって、僅かに溜飲を下げていたのです。

ところで、この国府老人に対する憎悪が、八方から恐ろしい勢で激発され始めた頃、正確にいえば今から五年前の春、国府金弥老人は、古釘が折れたように、ポクリと死んでしまったのです。あんな丈夫な老人がと一応は疑いましたが、主治医の北村万平博士が、肝臓の特殊の病気と診断を下したのですから、これは少しの疑いようもありません。葬儀万端いとも盛大に執り行われて、さてこの後誰が一体鈴子未亡人の世話をするだろうということが問題になりました。何しろまだ二十五の若盛りで、美しくて詩が上手で、一千万円の財産を持っているのですから、まことに押すな押すなの盛況です。

二

ところで、初七日の晩に親類親友一同、顧問弁護士の佐瀬渉を交えて、国府老人の遺言状を開くことになりました。