Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.161 Zeichen · 26 Bildschirme
五
ただ時々耳について、何時までも忘れ兼ねた言葉は「ウレラソロク」という言葉と、もう一つ、「オクズス」という単語だけですが、それも何んの意味やら、私の知ってる範囲の、あらゆる国の言葉を考え合わせましたが、結局は何んの事やら少しも判りません。
「このレコードに吹込んだ言葉の意味は何んであろうと、皆様に御披露申上げた上は、弁護士としての私の責任は済んだわけで御座います。このレコードは相続者の鈴子夫人に御保管を願い度いと思いますが、如何でしょう、御異存は御座いませんか」
佐瀬弁護士は完全に投げてしまいました。たぶん国府金弥老人が死に際に精神が錯乱して、こんなわけの解らぬことをレコードに吹込み、それを物々しく遺したに過ぎないと思い諦めた様子です。
「それが一番穏当でしょう」
誰にも異議の筈もありません。
「幸い長い間レコードの蒐集をしておられる望月辛吉さんに、この研究はお任せするといたしましょう」
佐瀬弁護士はとうとうこの厄介極まる謎の解釈を、この私――望月辛吉に押し付けてしまったのです。
五
その後は甚だ愉快でない日が続きました。森川森之助と鈴子夫人が、いよいよ結婚することに決って、二人はいそいそとその仕度を急いでおりますが、我々岡焼党は、一応言葉の上では目出度がり乍ら、心の中では甚だ面白くない毎日を送っていたのです。