Japanische Klassiker mit Furigana
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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
Lesen Sie 如何なる星の下に (いかなるほしのもとに) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.508 Zeichen · 236 Bildschirme
そしてその時は、私はまだその話を短篇に書いていない時分で、これは書けるなというような気持を心に秘めながら、私はその話をぼんやり思い出していたのである。さて、そんな話をぼんやり思い出していたというのは、他でもない、手は大分暖まってきたのだが、さっきは手を暖めるべく本を読むのを中断するのがあれほど苦痛だったにもかかわらず、今はもう本を読むべく手を出すのが億劫になっていたからのことである。おでこにのせた本も、首を横着に動かして、頭の向うにずりおとしていた。言いかえると、私は手が暖められたことによって、睡気を誘われていたのだ。
するとその時、突然、戸外にあわただしい人の足音、――何か叫び合うような声も聞えてき、やがてアパートの下も騒然たる気配。何事かと耳をすますと、階段の下で「どこですか、火事は」と言う声が、その私の耳を打った。私はガバとはねおきた。おそらく、正直に言えば驚きよりも好奇心で――。
窓をあけた。雷門の方に、(おおなんと罰当りの感覚だろう。だが、そのときの実感を正直に言えば)いかにも暖かそうな火が挙っている。
ふと気がつくと、寝間着の上に着物を重ね、とんびを着ていた。