Japanische Klassiker mit Furigana
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
Lesen Sie 幼年時代・晩夏 (ようねんじだい) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.965 Zeichen · 169 Bildschirme
「なるほどあそこに豆棚の入口があったんじゃ、こっちへ真ん向きだね」と私は口をきいた。
「どうもあのままですと、一々出はいりするたんびに、こちらと顔を合わせなければならないので、お互にお厭でしょうと思って、ああ入口を変えてみたんですが。……しかし、もともとウインさんのいらしった頃は、こちらのヴェランダが向うを向いていましてね……」と不二男さんは今しがた爺やの出て行った南側を指さした。
「そうだったね、散歩のついでによくこの前を通りかかると、感じのいいおじいさんとおばあさんがいつも二人でヴェランダに出て本を読み合っていたっけなあ。」私も合槌を打った。「何しろここも古い別荘だ。」
「この村ではこの辺が一番最初に別荘地としてひらけたものでしてね、その時分は建てた順に別荘番号をつけていましたが、ここのウインさんの家なんぞは何んでも四号か五号でした。――三枝さんの奥さんがこの家をお買いになるといわれたとき、あんまり古い家なのでどうかと思いましたが、すっかりこうして手を入れたら、見ちがえる程になってしまいましてね。前はひどい紅殻塗りの小屋でしたが……」
私はこの村を知ってからもう十年以上になるので、そんな一昔前に流行っていた紅殻塗りの小屋のことも、その頃の古い住人達のことも少しは覚えていたが、おととし結婚後はじめてこの村に