Japanische Klassiker mit Furigana
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
Lesen Sie 幼年時代・晩夏 (ようねんじだい) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.965 Zeichen · 169 Bildschirme
とこの頃爺やが何かというとそんな事ばかり言ったという、おとといの婆さんの話もふいと思い出されて、三枝さんの奥さんは、あんな気強そうな爺やでもよく年をとってからそうやって一人で暮らす気になれるものだと思って、そんな植木屋たちの仕事をいつまでも見ていました。――何んでも、あとで聞きますと、そのとき売った植木の代が二十何円とかになったそうでした。まあそれだけあれば、こんな村では爺やひとりでならその冬を結構越すぐらいの事は出来たでしょう。……」
不二男さんはここまでをほとんど一息に話しつづけた。そうしてここで突然言葉をとぎらせた。そうしてそういう爺やの何処かさびしそうな姿を見ていたそのときの三枝さんのように向いの若葉のなかの家を暫く見やっていた。それからまた話しつづけた。
四
「その冬はどうやらそれで越せたようですが、今年は爺さんどうするだろうと私どもも心配していました。夏場、またその家を人に借すにしても去年のような事でもあると、借りたお方にも気の毒だし、仲に立つ私どももたいへん迷惑しますので、ともかくも日向さんの奥さんに手紙でその事を言ってやりました。