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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふおう

恐怖王

江戸川 乱歩

Lesen Sie 恐怖王 (きょうふおう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.038 Zeichen · 133 Bildschirme

Aozora Bunko

「妙だ、あいつはなぜ、俺を見つめているんだろう」

ムラムラと疑念が湧き上った。

蓬の様な頭髪、ボロボロの古布子、繩を結んだ帯。乞食かしらん、だが、乞食がなぜあんなに彼を見つめていたのだろう。

こちらもじっと睨みつけてやると、乞食みたいな男は、気拙そうにそっぽを向いて、トボトボと歩き出した。歩きながら、チラッチラッと振返る。その様子が如何にも怪しいのだ。

蘭堂はあきらめ切れないで、つい乞食のあとを追って歩き出した。

広い砂浜を、右に左に、時には逆戻りさえしながら、乞食はいつまでも歩いて行く。その歩きぶりは、全くあてのない散歩でもしている様に見えるが、こうして蘭堂を退屈させて、尾行を思切らせる算段かも知れない。

グルグル廻りながら、やがて砂浜を三十分も歩いたであろうか、ふと気がつくと、高い石垣の上で、五六人の子供が騒いでいた。彼等は乞食と蘭堂を指さして、しきりと何か囃し立てているのだ。

「あれ字だよ。伯父さん達字を描いているんだよ。君、読めるかい」

「読めらい、あれ、英語のKって字だい」

この異様な会話が、蘭堂の小耳を打った。子供等は一体何を云っているのだろうと、うしろを振返って見ても、別に文字らしいものは見当らぬ。