Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
Lesen Sie 恐怖王 (きょうふおう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.038 Zeichen · 133 Bildschirme
怪画家
若しやこれは、恐怖王その人の巧妙極まる変装姿ではあるまいか。
そう思うと、蘭堂は一種異様の戦慄を感じないではいられなかった。
彼はツカツカとその人形に近づいて、いきなり肩の辺をつきとばした。
すると、人形は、ガタンと音を立てて、坐ったままの形で、その場に転がってしまった。着附けがくずれて、半分しかない胸部があらわになった。
「オヤ、この人形の胸になんだか書いてあるぜ」
刑事はそれに気づいて叫んだ。
人々は転がった花婿人形のまわりに集った。その胸を見ると、確に、墨黒々と、文字が書きつけてある。
花婿恐怖王の役目を勤めたるこの人形、恐怖王の身替りとして逮捕なさるべく候
賊の余りと云えば傍若無人な冗談に、あっけにとられて、暫くは口を利くものもなかった。
怪画家
大江蘭堂は、美しき未亡人喜多川夏子と共に、D百貨店花嫁人形の怪異をあばいた翌日、彼のアパートの寝台で、お昼頃まで朝寝坊をした。前夜花園家で京子のお通夜があったからだ。
顔を洗って着物を着換た所へ、書斎の方のドアをノックするものがあった。来客である。彼は寝室を出て、書斎のドアを開いた。
「ごめん下さい、大江さんのお部屋はこちらですか」