Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きょうふおう

恐怖王

江戸川 乱歩

Lesen Sie 恐怖王 (きょうふおう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.038 Zeichen · 133 Bildschirme

Aozora Bunko

悪夢

……アラ、何も云やしませんわ。エエ、切ります、切ります。――ではお父さま、本当に……」

そこで、側にいた奴が、無理に受話器をかけたと見えて、バッタリ声が途絶えてしまった。

布引氏が直様交換局を呼出して、先方の電話の所を調べさせたのは云うまでもない。併し、その結果分ったことは、相手の非常な用心深さばかりであった。先方の電話はある場末の自動電話だったのだ。無論曲者はもう遠くに逃げ去ったに違いない。今から何と騒いで見ても追ッつかぬ。

布引氏は賊の申出でに従って、警察に届出でるのは見合せることにした。こういう場合に、賊の申出にさからって、飛んでもない結果をひき起した例を、屡々耳にしていたからだ。賊は五万円が目的なのだ。それさえ与えたら危害を加えることもなかろう。それに五万円は大金ではあるけれど、布引氏の資産に比べては物の数でもない。しかも何物にも換え難い一粒種の愛嬢の命が買えるのだ。「こんな廉い取引はない」と、太っ腹の布引氏は忽ち思案を定めたのである。

悪夢

さて、お話は鳥井純一青年に移る。

布引氏が奇怪なる電話に、亡き人の声を聞いたのと、殆ど同じ時刻に、鳥井青年は、目に見えぬ糸で引かれでもする様に、牛込区S町のかの怪しき空屋へと、近づいていた。