Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.655 Zeichen · 406 Bildschirme
四一
それを見ただけで葉子はすっかり打ちくだかれていた。水落のあたりをすっと氷の棒でも通るような心持ちがすると、喉の所はもう泣きかけていた。なんという心に自分はなってしまったのだろう……葉子はその上その場にはいたたまれないで、急いで階下のほうへ降りて行った。
倉地の声にまじって古藤の声も激して聞こえた。
四一
階子段の上がり口には愛子が姉を呼びに行こうか行くまいかと思案するらしく立っていた。そこを通り抜けて自分の部屋に来て見ると、胸毛をあらわに襟をひろげて、セルの両袖を高々とまくり上げた倉地が、あぐらをかいたまま、電灯の灯の下に熟柿のように赤くなってこっちを向いて威丈高になっていた。古藤は軍服の膝をきちんと折ってまっすぐに固くすわって、葉子には後ろを向けていた。それを見るともう葉子の神経はびりびりと逆立って自分ながらどうしようもないほど荒れすさんで来ていた。「何もかもいやだ、どうでも勝手になるがいい。」するとすぐ頭が重くかぶさって来て、腹部の鈍痛が鉛の大きな球のように腰をしいたげた。それは二重に葉子をいらいらさせた。
「あなた方はいったい何をそんなにいい合っていらっしゃるの」