Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
柔らかいしかし大きい手であった。
私は彼の病気は真正の肺であることを疑わなかった。頬がだんだんに赤みを帯びて来るのが不自然であり、その徴候でもあるらしく思った。
彼は「文庫」で短篇を発表していた。
「晩などよく呼びに来るんだよ。口笛を吹いてね。」
表はお玉さんが呼出しにくるのを嬉しそうに言っていた。あの西町の静かな裏町の夕方などに、表の家の前を往ったり来たりして口笛を吹くお玉さんの下町娘らしい姿を私はよく浮彫りにするように、心で描いて見た。それに表はお玉さんができてから、よその女にはあまり目をかけなくなっていた。こういう二人の間のやさしい愛情を私は詩のように美しい心になって考えていた。決して妬ましいという心など微塵も起らなかった。ああいう可憐な女性によって、あの友の顔までが心と一しょに美しくなるようにさえ思われるのであった。
ある日、私は久しぶりで表をたずねた。彼は奥の間に床をとって臥っていた。
「とうとう床についてしまった。」
彼は青い顔をしていた。わずかの間に彼は非常に瘠せ衰えていた。
「今朝ね。もう柿の葉が散り出したのを見て、非常に寂しくなってしまった。