Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
Lesen Sie 探偵小説の「謎」 (たんていしょうせつのなぞ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.820 Zeichen · 235 Bildschirme
不審をいだいた人々が、合鍵がないので、ドアをうち破って室内にはいって見ると、死体が横たわっている。ところが、不思議なことには、犯人の姿がどこにも見えない。内部から締りをした部屋だから、犯人の逃げ出す道はどこにもなかったはずだ。よく調べて見ても、天井にも、壁にも、床板にも、隠し戸などは全くない。暖炉の煙突は狭くて幼児でも通りぬけられない。換気窓も同様に狭い。人間一人煙のように消えうせるか、ナメクジのように伸縮自在のからだになって、ドアの下部の隙間からでも這い出したとしか考えられない。
実に不気味な、不可思議な謎である。もしこの全く不可能にみえる謎を、合理的に解いてみせることができたら、どんなに痛快だろうというのが、小説としての密室トリックの起りである。探偵小説は、一見不可能に見える異状な謎を、機智と論理によって、明快に解いてみせる面白味が中心となっているものだが、そういう興味の典型的なものが、この密室事件なのである。文章で描かれた不可能な情況というものは、どこかに隙間があるように思われ、確固不動の感じを与えにくいのだが、密室となれば、それが幾何学の図式のように具体的で、曖昧なところが少しもなく、不可能感を最も明確に読者に伝えることができるという特徴がある。