Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
Lesen Sie 探偵小説の「謎」 (たんていしょうせつのなぞ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.820 Zeichen · 235 Bildschirme
5 密室トリック
ガラスというものも、氷と同じように使いみちが多い。鋭いガラスの破片で人をころし、そのガラスの血をよく拭いて、そこにあった金魚鉢の底へ入れておくというトリックがある。犯人は現場にいても、兇器がない。ナイフなど、とっさに隠すひまのなかったことが分っている。まさか金魚鉢の底のガラス板とは気がつかないのである。
ガラスを粉末にくだいて、食べものにまぜて食わせると、ガラスの粉が胃壁に刺さって出血を起し、死なないまでも、重病になる。これを殺人手段に使った探偵小説はたくさんある。これは毒薬の一種といえないこともないが、微細なる兇器ともみられるであろう。
静脈に空気を注射すると、場合によっては死ぬのだが、探偵小説では、それも殺人手段としてよく使われる。毒物を注射するのでなくて、何の害もない空気を注射することによって、命を奪うというところに、異様な恐ろしさが感じられるためであろう。
(「読切小説集」昭和二十八年十一月増刊)
5 密室トリック
ここに一つの完全に密閉された洋室がある。すべての窓に内側から留め金がかかり、すべてのドアに内側から鍵がかかっている。その部屋の中で一人の人物が殺されている。