Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
Lesen Sie 探偵小説の「謎」 (たんていしょうせつのなぞ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.820 Zeichen · 235 Bildschirme
唯一の通路は暖炉の煙突だが、調べてみると、どんなに痩せた人間でも通りぬけることは不可能であった。盗難品は何もなく、怨恨関係も捜査線上に現われてこなかった。この事件は其後犯罪研究家によって論議されたが、百年後の今日(一九一三年)に至るも未解決のまま残っているというのである。
しかし、密室の謎を扱った物語は、もっとずっと古代までさかのぼることができる。紀元前五世紀のヘロドトスの「歴史」の中に紀元前一二〇〇年ごろのエジプト王ランプシニトスの話があり、密室の謎の原始形が見られる。王の宝庫を建てることを命じられた建築技師が、自分の子供たちのために、秘密の抜け穴を作っておいて、その開き方を遺言し、息子たちがそこから忍びこんで宝物を盗み出す話である。同じギリシアの紀元前二世紀の作家パウサニアスも、建築家アガメデスとトロポニオスの話で、同じ抜け穴のある密室の謎を書いている。
いま一つの古い例は旧約聖書のアポクリファ(外典)にある「ベルの物語」である。バビロン王はベルという偶像神を崇拝していた。羊や穀物やあまたのお供物をそなえて、神殿の扉をとざし、錠をかけて誰も出入りできないようにしておいても、一夜の内にお供物が消えてなくなる。