Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
で、勅使は、折の悪いのを察して、
(ご混雑のご様子なれば)
と、対面を略して都へ帰ろうとしたところ、信秀は、
(綸旨に畏れ多し)
と、常のとおり礼を正して迎えた上、草莽の臣下の微志に対して、叡慮のほど勿体ないと、感泣した。そして席を移すと、その夜、使者のため、連歌の会を催して、しめやかに一夜を犒らった――という風な人であった。
そうした父の血液は、信長に濃く伝わっているにちがいない。いや、成人と共にだんだん似てくるとは、老臣たちもよくいうところである。――財政の困難など、常に、物とも思っていないらしいところなど殊にである。
ようやく、徳になずいて、領民はよく働き、よく税を納める。だがそういう領民よりも、すこし大所の、ずるい富豪などから、お取り立てになっては――、と金奉行が献策した時も信長は、
「ム。釜の底は、追々」
と、いったのみだった。
釜の底よりちょっと肚の底のほうが分らない殿である――と、金奉行もその折いったことだった。
その分らない肚の底に、きょうは城下奉行がぶつかって、
「これは一応、柴田修理殿か、森三左殿へ、そっとお計り申してみよう。苦諫を怖れるは忠臣の道でない。