Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
若き家康
藤吉郎が、言下にいうと、信長はにことうなずいた。
若き家康
駿河衆は、この地を駿府とは称ばない。府中と称んでいる。
海道一の府をもって任じているからであった。上は義元から今川の一族門葉をはじめ、町人に至るまでが、
(ここは大国の都府)
という自尊を持っていた。
お城もお城といわず、お館或いはただ館という。すべてが公卿風であり、下は京好みだった。
尾州の清洲、那古屋あたりとは、街の色や往来の風俗からしてまるで違っていた。道行く者の足の早さ、眼のつかいよう、言語の調子からして違うのである。府中は、おっとりしていた、衣服の華美の程度で階級が知れた、扇で唇をかくして気取って歩いた。音曲が旺んだった。連歌師がたくさんいた。――どの顔もどの顔も、わが世の春を謳歌した藤原氏の一頃のように、長閑けく見えた。
晴れれば、富士山が見え、霞めば、清見寺の松原越しに、波静かな海が見えた。
自然に恵まれていた。
兵馬は強大だった。
三河の松平氏も、ここの属国に等しかった。
「松平家の血をうけ継いだわしの身はここに。――亡びかけた城をどうにか支えてくれている臣下は岡崎に。……国はあれど主従は別に」