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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme

Aozora Bunko

「これでは、お汝らも、ちと手応えに不足で、物足らなくあろう」

義元は、戯れ顔に、そんなことをいって、近習から伺候の人々にまで、残らず杯を与えて、いよいよ麗しい機嫌であった。

「お館の御威勢によるところなれば、めでとうはござれど、仰せの如く、かように進むところ敵なしでは、日頃鍛えた腕もむなしゅう鳴るばかりで」

「待て待て。明日の夜は、清洲の城へ乗り掛けん。いかに骨細の織田といえ、清洲へかかられたら、少しは、手応えもみせよう。――各※(二の字点、1-2-22)、貪って軍功をあげい」

「されば、両三日は、いずれ彼処に御滞陣。月も踊りも、清洲で御覧あられましょう」

いつか、陽は陰っていた。

酒に興じていて、誰も気づかぬまに、午の下刻(一時)頃から、暗い真昼に天候が変っていたのである。

一陣の風が、幕のすそを高く吹きあげた。ポツ! ポツ! と、雨さえ交じって来たのである。雷鳴がとぎれとぎれに耳を打った。しかし、義元以下、そこの将領たちは、なお哄笑雑談、明夜の清洲城一番乗りを、ことばの上で気負い合ったり、信長何者ぞと、誇ったりしていたのである。

信長、何者ぞ。

義元の帷幕で、旺んにそう嘲り笑われていた時刻、その信長は、街道の小坂、相原村の中間から、太子ヶ嶽の道なき道を遮二無二越えて、もう義元の本陣へいくらもない地点まで来