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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme

Aozora Bunko

藤吉郎の過去は汗の中の生活だった。汗の真価を知っている。汗の美しさを知っている。労働は肉体のものだというのは嘘である。労働にも精神がこもっていなければ牛馬の汗と差別はない。――彼は、真実の汗と真実の労力が、どうしたら人間から発揮されるか、口を結んで考えていた。

喰うために彼らは働いている。或いは、親とか妻とか子とかを喰わせるために働いている。いずれにしても、彼らの働く意思は、食のためとか、享楽のためとか、それ以上に出ていなかった。

小さいのだ。卑屈なのだ。

もともと、その程度の望みしか持たない彼らなのである。

藤吉郎は、不愍を催した。

(かつては、自分もそうだった……)

と、思う。

小さい望みしかもたない人間に、大きな働きを求めても無理である。大きな精神を把持させなければ、大きな労力の効果と能率はあがる筈がない。

半日経った。

普請場の一ヵ所に、黙然と、突っ立ったまま、半日はすぐ経った。

まる三日間のうちの半日は、六分の一の時間である。だが、全工事を見渡したところ、朝から少しも捗った跡は見えなかった。丸太足場の上や下で、わあわあと、掛け声や様子ばかりは、懸命にやっているようだが、実際は、偽装に過ぎなかった。