Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
淡、雲の如し――という気もち。
関ヶ原を経て、垂井の宿までかかると、供の佐屋桑十が、
「お道がちがいますよ。栗原山はこの宿場から東へ行くので」
「いや、西だ西だ」
藤吉郎は、先に立って、伊吹山の方へすたすた急いだ。
「どっちが道案内か」
と、桑十は舌打ちした。そう行っては、まるで方角が反対だからである。
しかし、やがて一里ほど行き着いた所で、桑十は初めて、藤吉郎の心がわかった。
そこは不破郡のうちの岩手郷――半兵衛重治が生い立った郷土だったからである。
藤吉郎は、伊吹神社に参籠の者と称して、土地の田舎宿に二日ほど泊っていた。そしてその一晩、
「国への土産ばなしに、土地の古老から、めずらしい話など聞きたい。わしが酒を買うから、老人でも若者でも、夜分に遊びに来てもらえんか」
と、旅籠のあるじへ頼んだ。
旅のお武家衆が、酒を馳走してくれるそうなと、土地の老人や若い衆たちは、炉ばたへ遊びに来た。藤吉郎は、べつにまた、銭を与えて、亭主に蕎麦など打たせ、炉べりで酒を温めながら、まず自分から諸国の噺をいろいろ持ち出し、やがて酒も程よくまわった頃、
「時に、前の御城主だった竹中半兵衛様とは、いったいどんなお方か」