Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
いや、城門のあたりには、篝や松明が、真っ赤なほど、出迎えにならんでいた。――一家の歓びは、一城の歓びだった。また、領土全体の歓びとなっていた。
なぜか彼は、父のことについては、人にも語らず、平常、慕う風も見えなかった。
母には人一倍、孝心の篤い彼なのに――と、ひそかに不審る者もあったが、こんどその老母と妻とを洲股城へ呼び迎えるに際しても、父なる人については、何の沙汰も聞えなかった。
「おれは中村の近くなので、その筑阿弥という人をよく知っているが」
と、城内の侍部屋で、元小六党のひとりだったという家臣が、或る折、同僚に囁いた談片などによると、いささかその辺の消息が解けないでもない。
彼の養父筑阿弥は、その後も相かわらず不身持であったらしい。いわゆる女房泣かせの極道をし尽くし、大酒と遊惰に健康をそこねて、もう数年前に――藤吉郎がどこか戦場に出ている留守の間に、中村の茅屋で病死したというのが、村の者のいっている真相であった。
だから中村辺では、筑阿弥をよくいう者はひとりもないが、藤吉郎の母には、最後までよく貞節をつくしたと、誰も称えて、同情を寄せた。
藤吉郎の立身が、追々と、故郷の人々へ知れるに従って、