Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme

Aozora Bunko

「ない」

顔を上げた。そして彼は、はっきりいった。

「おらも、侍奉公したいと、心がけているんで、諸国の侍の風や、大名たちの威勢ぶりを見て来たから、侍奉公するからには、主人を選ぶのが第一と分って来た。うかつには、主は持てぬ」

「はははは。いよいよ面白い。この小六正勝では汝の主人には不足か」

「使われてみなければ、それも分らないことだけど、蜂須賀村の蜂須賀といえば、おらの村では、良くいわない。また、おらが仕えていた前の主人の家へ、泥棒にはいった男も蜂須賀の一族といった。おらが泥棒の手下になったら、おッ母さんが悲しむから、そんな者の屋敷へ、奉公はできない」

「では、汝は茶わん屋捨次郎の家にいたことがあるのか」

「どうして分ったかね」

「茶わん屋へ押し入って、悪事をした渡辺天蔵は、いかにもわしの一族の者だが、わし自身は、そういう不埒者は捨ておかん。天蔵は逃がしたが、その一味どもを成敗して、蜂須賀村へ帰るところだ。汝達の耳にまで、小六一門の名が、そのように過られているか」

「……うむ。おじさんは、そういう人間じゃないらしいな」

日吉は、十七にしても、ませた口吻で、彼の顔を見ながら云った。