Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
成敗
何の急用か?
――疑うように、渡辺天蔵は、書院の端に坐って、落着かない目をしていた。
青山新七。
長井半之丞。
松原内匠。
それに今、叔父を迎えに立った稲田大炊助といい、揃いも揃って、蜂須賀党の腹心たちが、自分のそばに坐りこみ、自分の眼のうごき、手の微動にも、監視をそそいでいるらしく思えるのだ。
――はてな?
変だわえ、と天蔵はここへ通るとすぐ感じていたのである。口実をもうけて、帰ろうかとさえ考えたが、その間に、庭のほうに小六の姿が見えてしまったので、
「おう。叔父御で」
と、彼の方から、強いて笑顔を作りながら、迎えかけた。
小六は、鍛冶小屋から今、持って来た鉄砲を、地に立てて持ったまま、
「天蔵。庭へ出ぬか」
と、外から呼んだ。
その様子は、常の小六と変ったところもないので、天蔵はいつもの狎れ癖をすぐ出して、
「何か、急にてまえに、御用だというお迎えで参じましたが」
「うむ」
「何の御用で」
「まあ、降りて来い」
「はあ」
沓ぬぎの藁草履をはいて、天蔵は庭へ出た。半之丞や内匠も、彼について出た。
「そこに立て」
小六は、甥の天蔵へ、そう命じてから、自分は庭石の一つへ腰をかけた。