Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme

Aozora Bunko

野の子ども

自分と濃い血液のつながっている数代前の祖先、伊藤五郎大夫は、道元禅師に侍いて、やはり支那へ渡った人であった。

臨済の栄西禅師も。

また、弘法も。

ずっと以前の遣唐使の若いたくさんな人々も。

同じに、支那からも、秦や漢代の人々が、無数に日本へ移り住み、それはすでに、この国の民くさとなって、血も立派に一つとなって今日に流れて来ている。

野の子ども

「おらの蜂だぞッ」

「おらのだい」

「うそだいうそだい」

「見つけたのは俺だい」

この辺りいちめん、真っ白な大根の花と、咽せるような菜の花の畑である。

その中を、棒でたたいて、七、八名の悪童連が、朝鮮蜂とよぶ尻に袋を持ったのを、一匹でも見出すと土旋風でも駈けるように、われがちな奪い合いだった。

弥右衛門の子、日吉は、ことし七歳になる。

胎内にいた時、母が十分に食物を摂っていなかったせいか、五年漬の梅干みたいな顔をして生れ落ちたこの子は、七歳になっても、まだその不足が取り返せないとみえ、他の子より小粒で、貌に小皺があった。

だが、悪戯と乱暴は、この中村郷の童の中でも、一といって二と落ちない。

「阿呆ッ」

蜂を争いながら、日吉はどなった。