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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme

Aozora Bunko

べつの名を「金華山」とも呼ぶように、まるで錦の崖だった。町と田野と長良川の水の際から、突兀と急に聳え立っている絶頂に、一羽の白鳥でもうずくまっているかと見まごう白壁が、ポチと小さく見える。

「高い山城だなあ」

日吉は眼をみはった。

城下からそこへ登るのには、七曲、百曲、水の手の要害堅固であるとも聞かされ、難攻不落というのは、こういう城地をいうのだろうと感心したが、日吉は直ぐ、

「城ばかりで国は持たない」

と、胸の中で呟いた。

七内は、繁華な町の辻の商人宿に、宿を取ったが、日吉には、

「おまえは、この裏の木賃宿へ泊れ。そのうちに、用を吩咐ける。遊んでいては、人に疑われるから、用が出来るまで、毎日、針売りに出て歩いていろ」

といって、わずかばかりの銭をくれた。

「はい」

日吉は、神妙に、銭にお辞儀して、すぐ裏町の汚い木賃へ行って泊り、結句、独りでこの方が気楽だったが、

(そのうちに、用が出来るといったが、一体、何の用事だろう?)

今もって、分らなかった。

木賃には、旅芸人だの、鏡磨だの、木挽だの、雑多な者が泊っては入れ交わって行った。日吉の皮膚は、蚤虱にも鍛えられていたし、そういう人種の持つ特有なにおいにも馴れていた。