Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
彼の諄々と説く、道理なことばは、かえって蜂須賀党の輩には、彼の弱音として聞えた。
殊に、味方は二十余名。相手はわずか二人のことである。
「うるせえッ」
「耳を藉すな。もう、戌の下刻は過ぎているぞッ」
二、三の者が、群れの中から叫んだのをきっかけに、わっと、鬨の声が沸く。
途端に、十兵衛と弥平治のすがたは、狼軍の牙につつまれた。牙にも似たる長柄、槍、刀――。それらの武器と喚きが、轟々と吹きうなる風の音と一つになって、すさまじい乱戦の渦をそこに描き出した。
「ヤ、闘った!」
日吉は、見ていた。
刀の折れが飛んで来る。逃げる血まみれを、槍が追いかける。――そこらにいてはあぶないので、彼はあわてて、樹の上へ登った。樹の上から眺めていた。
一人や二人の斬合は、これまでにも、出会ったことはあるが、こういう小戦争は初めて目撃したのだった。しかも、この結果によっては、今夜のうちに、岐阜の里いちめんが火の海になるかならぬか? また、鷺山城と稲葉山城との、大乱が起るか否かの――大きな分れ目と思えば、日吉の胸も、生れて初めての大きな昂奮を覚えずにいられなかった。
「――弥平治ッ」