Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
無邪気らしい眸だが、嘉兵衛の人物を軽く見たようでもある。
が、嘉兵衛は、それから真面目に、日吉の身の上や生地を――そして奉公の望みがあるかないかなど熱心にたずね出した。
日吉は、
「あります」
と、答えた。
その望みを持って、十六の年から諸国を歩いたと云った。
「侍奉公したいために、三年も諸国を歩いたというか」
「はい」
「今なお、針売りして歩いているのは、どういう仔細じゃ。三年もさがして、奉公口につけぬからには、何かそちに、欠点があるのではないかな」
嘉兵衛が、わざと問うと、
「人間ですから、てまえにも悪い性があるかもしれません。けれど、最初はどんな主人でも、侍屋敷でさえあればいいと思いましたが、世間へ出てから、そうでないと気がつきました」
「そうでないとは」
「善大将、悪大将、国々の武将や、武門のお端を見て歩くと、主を選ぶほど大事なものはないと考えさせられました。そこで、めッたに針売りは廃されないぞと、ついつい、三年も経ってしまったので――」
おもしろい。利口者かとみれば、馬鹿みたいな節もある。
話しぶりにも、真実さがあるかと思えば、なかなか山気もいう。まともにそのまま信じきれない言葉が往々出る。