Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme

Aozora Bunko

出仕

半刻の余も、泳いでは河原に上がって、太陽に肌を焦き、また、川へ躍り入っては、河童のように、存分水と戯れていた信長は、

「帰ろう」

云い出すと、仮屋のなかへ駈け込んで、白の水着腹巻を捨て、肌のしずくを拭くがはやいか、すぐ下着、狩衣を着込み、小具足つけて、

「駒を、駒を」

と、その気短な吩咐は、彼の側を追いまわすように従いて歩いている近習たちに、いつも泡を吹かせるのだった。

何につけ、信長の手早いことと、性急なのには、日常心得ぬいている近習たちではあったが、それでも面喰らうことがしばしばだったし、また、青年らしい壮気と茶気の満々なこの若い主君は、それを知ってわざと不意を衝くようにも思われた。

けれど市川大介は、さすがに兵法者であった。信長がどう虚を衝いても、大介が命令一下に、貝が吹かれ太鼓が鳴ると、どんなに乱れていた兵も馬も、青田の早苗のように、揃って並んだ。

短気はいうが、信長の機嫌は、顔にあらわれ、満足そうであった。

――きょうも。

すでに朝から二刻ほども、烈しい教練をやったので、信長は、那古屋の城へ人数を向け、自身もその中の一騎となって、庄内川の河原から引き揚げて来た。