Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
忍びの者は、城主の目であり耳であり足であった。
出るにも退くにも家臣に取りまかれ、城にばかり暮している城主なる者は、皆忍びの者を使う。
信長の側にも、そういう術に長けている男がいた。しかし、誰がその役目をしているか、近侍にも分らなかった。
草履取は三名いた。お小人組に属しているが、役目がら小屋を別にして、お庭近くに三名だけで交代勤めをしている、一人は又助、一人はがんまく、一人が藤吉郎だった。
「がんまく、どうした?」
藤吉郎は相役のがんまくに、友誼を尽して交際っていた。がんまくは、蒲団をかぶって寝ていた。何ぞというと、よく寝てばかりいる男だった。
「……腹が痛い」
がんまくは、顔も出さずに云った。藤吉郎は、夜具の襟を引っ張って、
「嘘をいえ。御城下まで出たついでに、美味い物を買って来たから起きろよ」
「なんだ」
がんまくは、首を伸ばしたが、騙されたと分ると、また夜具をかぶって、
「ばか、病人をからかうなよ。あっちへ行け。うるせえ」
「起きてくれ。兄貴。ちょうど又助がいないから、訊きたいことがあるんだ。折入って」
がんまくは、渋々起き出して、
「折角、ひとが寝ているのを」