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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme

Aozora Bunko

平常は、箱に納めて、珍重していたが、つい七日ほど前、その茶わん屋の御寮人様が、仏参に見えるというので、その折、出して用いたまま、つい仕舞いもせずにあったのである。

それが割れているのだ。

「……?」

住僧は、顔いろを失った。老師の耳に入れたら、病が重るだろうと、そこまで心配は走った。

「猿じゃな」

「そうだ。他にこんな悪戯をする童はない」

「どうしてくれよう」

二人の住僧は、すぐ日吉を引き摺って来て、香炉を突きつけた。日吉は、この本堂で暴れたのは自分だけではないし、自分がした覚えはなかったが、

「ごめんなさい」

と、謝った。

謝られると、住僧はかえってかっと怒った。日吉の天性の顔つきが、平気でいっているように見えたからである。

「この外道め」

二人がかりで、日吉をうしろ手に、縛り上げてしまった。

本堂の丸柱へ、日吉はくくりつけられた。

「幾日でもこうしておいてやる。鼠にでも喰われてしまえ」

と、住僧は罵った。

だが、日吉には毎度のことだった。辛いのは、翌る日になって友達が来ても、遊べないことだった。

「やい、縄を解いてくれよ。解かないと、ぶん撲るぞ」

日吉は脅したが、日吉さえ罰せられているのをみると、みな逃げて行った。