Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

そこの待合せは所がら芸妓やや料理店の人が多く、藤木夫婦の望みと抱妓をほしがっている小蒔屋との交渉が、おもいがけなく私の祖母から出来上ってしまったのだった。

おあさのために御馳走がならべられて、口々に褒めた。

「おあさは孝行ものだ、親孝行だ。」

父までが藤木さんに杯口を与えながらいった。

「おれの家でも女の子が多いから、芸妓やをはじめると資金入らずだが――」

十ばかりの従姉と、私はだんまりで、二人ともこぼれない涙に瞳が光っていた。おなじようにムンヅリしていたが、子供心にも思うことは違っていたのかもしれない。私は子供心には言いあらわせない反抗心がグイグイと胸をつきあげていた。その時、父も厭だった、褒めそやす母は一層憎かった。ふだんは好きな祖母も、そんな世話をしたかと思うと悲しかった。もとより、芸妓は美しいものとして、その他の悪いことは知っていようはずもないのに、なぜだか、なんとも言えない泣きたい思いを堪えていた。

「親孝行なんて、親孝行なんて――」

なあんだ――ただそう叫びたかった。みんなにむしゃぶりつきたい、わけのわからないむしゃくしゃだった。

「そんな親孝行なんぞしたくもない。