Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
「投げちゃえばいい。有難うございましたって、からっぽにしてゆけばいい。」
小りんさんはそうしなかった。穴を掘って重箱ごと捨ててしまった。
家へかえって訊かれると、「捨てたよ」とはっきり自分でした通りをいった。家のものがいって見ると、黒ぬり蒔絵の重箱が、残ったお萩のはいったまま土中にあったので、かえって本当だったのに呆れた。
女らしくないといって、糺命のため味噌蔵にいれられた小りんちゃんは、大人たちの不当な仕置きに腹を立てた。あやまることなんぞ考えもしなかった。自分のしたことのいいかわるいかは子供だから知らないが、つねづね親たち師匠から、人間は正直が第一だ、ことに神宮の御鎮座ある伊勢は「伊勢子正直」と名のあるのを誇りにしているといましめるのに、なぜ正直に言ったことが悪い――それが不足だった。
彼女は、自分をこんなに困らせる家人を、自分も困らしてやろうとばかり考えた。暗い陽の遠い味噌蔵に這っている、青大将も怖くなければ、いたずらに出てくる鼠にも馴れた。
仕かえしは味噌樽の中へときまった。彼女は自家用の幾個かの樽のなかへおしっこが出たくなると、穴をあけておいてした。