Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

その足袋はだしの足あとが、道の真中でぱったりととだえてしまっていたからです。そこから先には、雪の上にポツポツと小さな穴があいているばかりで、ずっとむこうの大通りまで、人の足あとというものは一つもありませんし、といって、あとへもどった足あともないのです。両がわには高い塀がつづいていて、塀ぎわまですきまなく雪がつもっているのですから、足あとを残さないで、どちらの塀へもたどりつくことはできません。ですから、足あとだけを見ますと、この人は雪の上をそこまで歩いて来て、とつぜん鳥のように空へまい上ってしまったのか、それとも、体がとけて、蒸気のように空中に立ちのぼってしまったとしか考えられないのです。

少年たちは、不思議さに、思わず顔を見合わせたまま、そこに立ちすくんでしまいました。

「どうだい、君たちはこの足あとの謎がとけるかね。この人は、いったい、ここまで歩いて来て、それからどうしたのだろう。まさかこのせまい横町へ、空から軽気球がおりて来て、その人をのせて行ったとは考えられないからね。どうだい?、このわけがわかるかい」

高橋さんは、どうだ、この謎はむずかしいだろうといわぬばかりに、ニコニコ笑っています。