Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

月とゴム風船

きっと君が喜ぶような、おもしろい話をきかせて上げるよ」

高橋さんは、半面を月の光に、半面を部屋の電燈の光にてらされて、にこやかに笑っていました。

一太郎君は、そのなつかしい笑顔を見て、こちらもにっこりと笑いました。高橋さんと一太郎君とは、年こそちがえ、物の考え方がそっくりなんです。おたがいに顔つきを見ただけで、相手が何を考えているかわかるほどです。一太郎君は、それがうれしくてたまりません。

「じゃ、また、あした」

快活な少年は、人なつっこいあいさつを残して、庭づたいに、門の方へかけだして行くのでした。

月とゴム風船

一太郎君は、月があんまり小さく見えたので、びっくりしてしまいました。

大学生の高橋さんに教わって、長さ五十糎ほどの画用紙の筒で、空の月をのぞきながら、その紙筒の先をだんだん細くまいていきますと、月の方でもだんだん小さくなっていって、紙筒の先の穴が、さしわたし三粍ほどになっても、月は、まだちゃんとその中に見えていたのです。

洋食皿よりも少し小さいくらいだと思っていた月が、紙筒でのぞいて見ると、米つぶほどになってしまったのです。

なぜそんなに小さく見えるかというわけは、前に書いてあるとおりですが、その実験をしてから二三日たった夕方、一太郎君はまた高橋さんのお家へ遊びに行きました。