Japanische Klassiker mit Furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme
理科でレンズのことを習ったとき、そのことを、すぐ思いだしました。そして、レンズがなくても、目をうんと細くすれば、いろんなものがよく見えるということからいいことを思いついたんですよ。目を細める代りに、厚紙に穴をあけて、のぞいて見るっていう工夫です。はじめ僕は、小さい穴や大きい穴や、いろいろやってみたんです。大きい穴ではだめでしたが、小さくするほどよく見え、針の先であけた穴にすると、とてもよく見えたのです。針の穴が小さければ小さいほど、暗くなるけれど、物は大きく見えるのですよ。蚊だとか蠅の翅だとか、いろんなものを、その針の穴のむこうがわへ、二センチぐらいに近づけて、明かるい光にあててのぞくと、虫眼鏡のように見えるんです。四五倍ぐらいになって見えるんです。小さい活字の字引なんかは、穴を一ミリぐらいに大きくして、十センチほどはなして見ると、お祖父さんの老眼鏡ぐらいには、大きくなって見えるんです。
それで、僕、厚紙を眼鏡の形に切りぬいて、それに穴を二つあけて、ひもをつければ、お祖父さんの眼鏡ができるなあと思ったんです。いつかお祖父さんに作ってあげようと考えていたんです。