Japanische Klassiker mit Furigana
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つきとてぶくろ
月と手袋
江戸川 乱歩
Lesen Sie 月と手袋 (つきとてぶくろ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.541 Zeichen · 80 Bildschirme
白い手袋が必要だ。革ではいけない。ほんとうは軍手がいいんだが、ないだろうね」
「あるわ。股野が戦時中に、畑仕事をするのに買ったんですって。新らしいのがたくさん残ってるわ。台所のひき出しよ」
「よし、それをもってくるんだ。まだある。長い丈夫な紐が二本ほしい。遠くから持って来ちゃいけない。隣の寝室に何かないか」
「さア、あれば洋服ダンスの中だわ。でも丈夫な紐って……ア、股野のレーンコートのベルトがはずせるわ。それから……ネクタイではだめ?」
「もっと長い丈夫なものだ」
「そうね。ア、股野のガウンのベルトがある。あれならネクタイの倍も長くて丈夫だわ」
「よし、それを持ってくるんだ。それから、……ウン、そうだ。おれはいつか、ちゃんと考えておいたんだ。君のうちには、何かの草で作った箒のような形の洋服ブラシがあったね。おれは見たことがある。あれが、入用だ。あるか」
「あるわ。洋服ダンスのそばに、かけてあるわ」
「いいか、忘れちゃいけないぞ。全部そろえるんだ。もう一度云う。軍手、ベルトが二本、箒型のブラシ、ジャンパー、そして、ここにベレ帽と目がねがある。それで全部か? いや待て、そうだ、ネクタイでいい。