Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とうおういぶん

東奥異聞

佐々木 喜善

Lesen Sie 東奥異聞 (とうおういぶん) von 佐々木 喜善 (ささききよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.862 Zeichen · 124 Bildschirme

Aozora Bunko

そのとき九つになる息子がありました。父が山さゆかばおれもゆくというてききませぬ。父はいやいやおれは祖母を山奥さ捨てにいくのだから、おまえを連れてゆくわけにはゆかぬ。いい子だから母と家にいろというが子どもはなかなかききませぬ。そんだら祖母をどっちの山へ捨てると聞きます。それは遠い遠い奥山のまたその山奥だと父はいうけれども、それでもいってみたいと言い張ります。母はそれほどいってみたけりゃ、父といっしょにいってこうというので父は老母を背負い、息子を連れて奥山へといったのであります。

ゆくがゆくがいってやがて奥山へゆくと、父はカヤを刈って小舎を作り、それに老母を入れて捨ててこようとすると、老母は孫を抱き寄せてこれから達者で大きくなれとくり返しくり返して泣きながら掻き口説きます。父はさあはやく家に帰るべえというと、息子はまだまだ待て、おれは祖母が死ぬるところをよく見覚えておきたいといって、あっちの沢、こっちの谷、あの木この岩と見回し歩き木などを数えてみていたが、急にわっと泣き出しました。なぜ泣くのだと父はいうと、息子は泣く泣く、父どはじく(我慢)がよいからよいがおれはじくがないからいけない。