Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
とうおういぶん
東奥異聞
佐々木 喜善
Lesen Sie 東奥異聞 (とうおういぶん) von 佐々木 喜善 (ささききよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.862 Zeichen · 124 Bildschirme
この話と似た話はまだ私の記憶にある。
前と同郷某らという者ども、気仙郡五葉山をかけにいったときにも、その連れの一人が深林中にて前年亡せし愛妻の声を聴いたといったが、これも山から帰る早々病みついて死んだ。
こういうような信仰は山郷の人々の間には今日でもなお新しく生きている。そしてそういうふうに死んだ者は山男山女の類の族のなかにゆくといわれている。またそうでなくとも農家の若い息子が急に死ぬることなどがあれば、それに対してもただちに神秘的な想像や噂がたつことがある。前記同郷の土淵村の某所にて、村中にも田の草相撲などにいつも人気をよんでいた私の近所の長命という若者、鎮守の相撲帰りに急に病んで死す。そのときなどもその若者が呼吸を引き取ると同時に、家の後ろの山から一人の大男が飛ぶようにおりてきてその家にはいったのを見たものがあった。これは山男ですなわち長命はいったん眷族の前には死んで山男の族にいったものだろうというのがもっぱらの評判であった。また私の隣家に小町という十七ばかりの娘が流行感冒かなにかで亡くなったときにも、前述と同様な噂がたったこともある。とにかくこういうふうに若い娘や男のある種の死をもって魔物他生へのふしぎな結縁の成るものだとする信仰は古より日本の民族中に潜在していた思想であるらしい。