Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
大多数の生徒は、純真な留任運動だと信じてやっているのかも知れませんが、中心になって動いている数名の生徒たちは、決してそうではないと存じます。何でも、その生徒たちは頭もいいし、読書力もあり、いろんな方面の思想にもふれているそうですが、そのうえに、背後から糸をひいている人物もあるらしく想像されますので、われわれ父兄といたしましても、うっかりして居れないかと存じます。」
平尾の父は言い終って眼鏡をはずし、謄写刷の父兄名簿を眼のまえすれすれに近づけて、左右に視線を動かした。すると、馬田の父が、
「ちょっとお伺いいたしますが――」
と、いんぎんな、しかしどこかにとげのある調子でたずねた。
「お話の通りですと、中心になって動いている生徒はごく少数のようですが、もしおさしつかえなかったら、その名前をはっきり言っていただきたいのですが。」
「名前までは、実は、私、たしかめて居りませんので……」
と、平尾の父はいかにも当惑したように頭をかいた。
「ご令息のお口から、それをおききにはなりませんでしたか。」
「私も、実は、その名前がはっきりすればいいと思いまして、一度たずねてみたこともありますが、せがれの方では、それだけは親にも言いたくないと申すものですから、しいてはたずねないことにしています。