Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
」
次郎の声は、その時いくぶんふるえており、眼に涙がにじんでいそうに思われた。
みんなは、つい、しいんとなってしまった。そして生徒大会のことも、それで立消えになってしまったのである。
生徒大会のことがどうなり片づくと、次郎は機を失せず、
「朝倉先生の問題に関するかぎり、校友会の委員会はもう今日で打切りにしたい。で、今日のうちに先生送別の方法について考えておこうではないか。」
と提案した。
これには、新賀や梅本でさえさすがに変な顔をした。むろん馬田一派はここだとばかり猛烈に反撃して来た。
「血書を撤回しない以上、留任運動は今でもつづいているということがわからんのか。」
「委員会なくして何が留任運動だ。」
「血書万能の夢も大ていにしろ。」
「おもてで留任運動、うらで送別会の計画、僕たちにはわけがわからんよ。」
「こんどは送別の辞でも書きたいのだろう。」
「なあに、送別の辞は血書より早く出来ているんだよ。」
そんな罵声やら、冷かしやらが、方々から起った。しかし、そこいらまではまだいい方であった。あとでは、次郎を真正面から、偽善者だ、卑怯者だ、裏切者だ、とののしり、彼に退場を要求するものさえ出て来た。