Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
そういう訓練は、これまでもお互いにやって来たことだが、それをつづけてさえもらえば、下級生の諸君にも、私がさっき言ったようなことが自然にのみこめて来る時があるだろうと思う。」
先生は、そう言って、またちょっと言葉をとぎらした。そして、ちらと俊亮の横顔をのぞいたあと、口もとにいくらか微笑をうかべながら、
「えらい固くるしい話をしたが、これが私の置土産だ。しかし、もう一つ、置土産がある。それは、五六日もまえから、こころ用意だけはしていたが、今夜君らとこうして会えるとは思っていなかったし、いつ、どこで、どうして諸君のまえに差出したものか、迷っていたところだ。ところが、はからずもこういう機会が恵まれたので、早速差出すことにしたい。それは、私に代って、この白鳥会を指導していただく先生だ。」
弱い電燈の光と、淡い月の光との交錯する中で、みんなの眼が一せいに光った。恭一と次郎とは、あわてて視線を先生からみんなの方に走らせたあと、顔を伏せた。朝倉夫人は微笑しており、俊亮は泰然としている。
「置土産と言っては甚だ失礼だし、先生というのはあるいは少しあたらないかと思うが、その置土産にしたい先生というのは、実は、こちらにいらっしゃる本田君のお父さんだ。